多頭飼いの飼い主さんのお悩みで多いのが、ケンカです。
普段は仲良くしていても、急にケンカが始まることもあります。
どの子もみんな同じように可愛がっているのになぜ?と頭を悩ませている人は少なくありません。
プロのドッグトレーナーが解説!回答いたします。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
Youtubeに頂いたご質問の内容
5歳と3歳のオス
下の3歳の子についてですが、普段は仲良く過ごしていますが、食後、散歩、遊んだ後など上の子に威嚇し飛びかかります。
ちなみに上の子は45キロ、下の子は25キロ、上の子には一目置いているように思えます。
同じように接しているのですが、なぜこのような行動をするのでしょうか?
威嚇する時はゲージ入って中からします。
なぜ威嚇をするのか?
ご相談者さんの愛犬は、3歳の下の子が5歳の上の子に威嚇して飛び掛かるということですが、上下関係を意識しているのかもしれません。
両方ともオスなので、若干ですが3歳の子は5歳の子に従いたくないという気持ちがあるのかもしれません。
犬を飼っている方にはおわかり頂けると思いますが、ケージの中や椅子の下、テーブルの下やソファーの下に犬が入っている時にうっかり手を出すと、噛まれることがよくあります。
犬は狭い場所に入ってしまうと縄張り意識が強くなり、守りの体制に入りやすくなります。
犬のしつけハグで犬をお預かりする時、極端に臆病な性格の犬、攻撃的な性格の犬の場合、クレートに入っている時には手を入れる時には細心の注意を払います。
ドッグトレーナーであっても、噛まれる可能性があるからです。
犬のしつけハグでは職業体験のお子さんを受け入れているのですが、犬が好きなお子さんが多いためクレートの中に指を入れようとするのですが、絶対にやらないように注意しています。
自分が優位な場所にいる時、犬は強気になります。
下手をすると、指を噛み切られてしまう可能性さえあります。
ご相談者さんの下の犬は上の犬にかなわないとわかっていても、なんとか上下関係をひっくり返したいと思っているのかもしれません。
おそらく、下の子は以前に威嚇してみて成功したため、習慣化しているのだと思います。
多頭飼いの上下関係
多頭飼いの場合、犬同士が上下関係を気にするケースが多く見られます。
愛犬の性格が気の強い同士の場合、ぶつかり合ってケンカになってしまうことがほとんどです。
ケンカがエスカレートして、ケガをしてしまうこともあります。
もしケンカになってしまったら、飼い主さんが間に入って止めさせる必要があります。
ケンカをしそうになっても制止が掛けられるような状態にして下さい。
犬同士で解決させることはできません。
飼い主さんが間に入るためにも段階を踏んで頂く必要があるので、1頭ずつトレーニングを行って100%飼い主さんの指示が通るようにして頂きたいと思います。
犬がケンカをした時には、両方を止めるのではなく、片方に静止をかけてください。
両方に静止をかけようとすると、飼い主さんが怪我をする可能性があります。
ご相談者さんの犬達は体重もかなり重いので、本気で喧嘩をしてしまうと止めることは難しいでしょう。
犬達の安全を守るためにも、飼い主さんの指示が通るようにトレーニングをしましょう。
多頭飼いで仲が悪い場合の対処方法
多頭飼いの場合、仲が良いのであれば一緒に遊ばせても問題はありません。
ただ、どちらかがもう一方を威嚇するのであれば、離れた場所で過ごさせるようにして下さい。
一緒に生活をさせてしまうと、ケガをしてしまう恐れがあります。
せっかくの多頭飼いなのでずっと別々で生活をさせてしまうと、どちらも窮屈になってしまいます。
どちらからも全く攻撃を仕掛けない、万が一攻撃を仕掛けてしまっても、人が阻止することが出来るような状況にしておいてください。
ケンカをしてしまい、ケガをすると取り返しがつかなくなることもあります。
耳など皮膚が薄いところに噛みついてしまうと、傷が治らずもとに戻すことが出来なくなる可能性も出てきます。
飼い主さんが十分に注意をしてあげることが大切です。
まずは、別々で生活をさせるようにしましょう。
ドッグラン利用の注意点
多頭飼いをしていない人も人ごとではありません。
ドッグランを利用しているという方も多いでしょう。
ドッグランでもトラブルに巻き込まれる、トラブルに見舞われることがあります。
一緒になった犬が攻撃的な場合には、愛犬がやられてしまう可能性もあるのです。
もし愛犬が臆病な性格であった場合、ドッグランに連れて行くことはよく考えて欲しいと思います。
犬のしつけハグでお預かりする犬達も、性格によって遊び方も異なります。
犬のしつけハグでは、社交的で活発な犬のグループと大人しくて物静かな犬のグループに分けて遊ばせるようにしています。
ドッグランでも、だいたい大きく分けて2つに分類されることがほとんどです。
飼い主さんから離れなかったり、他の犬と遊ばない、他の犬を怖がる犬がいます。
しかし、社交的な犬達の方から大人しい犬にアプローチしてくることがあります。
大人しい性格の犬は、アプローチでさえも恐怖を感じてしまうこともあるのです。
ドッグランで少し怖い思いをしてしまうと、お散歩中でさえも他の犬とのコミュニケーションを取ることが出来なくなることもあります。
全ての犬がドッグランを楽しめるわけではありません。
犬の性格を考えて、ドッグランを利用していただきたいと思います。
犬にも個体差があるので、愛犬の性格をしっかりと把握して遊ばせて頂きたいと思います。
まとめ
ご相談者さんの犬には上下関係が出来ていて、下の子は上の子に対して少し不満があるのかもしれません。
どのような状況の時に威嚇をするのかがわかっているので、2頭を離れさせておけるのであれば、分けておくようにしましょう。
1頭ずつ、きちんと指示語が通るようにトレーニングをしておいてください。
お互いに上下関係を意識するような状態であれば、人がきちんと指示を出して従わせてください。
犬同士に任せてしまうとケンカに発展してしまう恐れがあります。
必ず人が間に入るようにしましょう。
人が主導権を握っていれば、問題はおきません。
ご相談者さんの愛犬にように体が大きい場合には、ケンカに発展してしまうと大変です。
小型犬でさえも本気でケンカをしてしまうと、手が付けられなくなってしまうこともあります。
まずは、人からの指示語が100%通るような状態になるようにトレーニングしましょう。
2頭とも指示語がしっかりと通るようになったら、徐々に2頭を一緒に生活させるようにして下さい。
万が一のことがあった場合、犬同士に任せるのではなく必ず間に飼い主さんが入って、どちらか一方を静止しましょう。
2頭両方に静止をかけると、飼い主さんケガをしてしまう可能性があるのでご注意ください。