トイプードルの発症リスクが高い病気やケガについて解説していきます。
具体的に言うと、外耳炎、レッグペルテス、膝蓋骨脱臼、関節リュウマチ、白内障・緑内障、水頭症、進行性網膜萎縮症、てんかん、クッシング症候群などのことです。また、「トイプードルの病気と付き合っていくための飼い主の心得」も挙げていきます。
トイプードルが襲われやすいケガ・病気は?
外耳炎
トイプードルは耳の中にも毛が生えていますし、垂れてもいるので、耳垢のせいで細菌が殖えやすいです。そのせいで外耳炎に発展しやすいので気を付けましょう。
「猫・犬向けの耳洗浄剤」などを使って、定期的に耳掃除をしてあげてくださいね。
レッグペルテス
大腿骨が発達するタイミングで関節とその付近に炎症が発生して、大腿骨頭への血の巡りが悪くなる場合があります。
また、そのせいで大腿骨頭が死んでしまう恐れも。
12カ月未満で見舞われるケースが大半であり、手術しなければならなくなる場合も。
膝蓋骨脱臼
トイプードルの後ろ脚の「膝蓋骨」がスライドして脱臼が起きる病気です。
「膝蓋骨」というとピンとこないかもしれませんが、つまりは「ヒザのお皿」のことですね。
- 散歩したがらない
- 歩行するときに脚を妙に上げたままにする
- 脚に触れると嫌そうに鳴く
などのケースではこの病気を疑いましょう。
状態によっては手術しなければなりません。
関節リュウマチ(免疫介在性多発性関節炎)
中年齢のトイプードルがかかりやすい病気です。「免疫介在性の関節炎」であると表現できます。跛行(歩行中のバランスが悪い)等が見受けられます。
ちなみにトイプードルに限らず、特に小型犬の場合は気を付けなければなりません。
水頭症
脳脊髄液が異常に多く生成されたり、流れが悪くなったりすることで発生する病気です。
脳が圧力を受けて、
- 同じ場所をグルグル歩行する
- 歩き方がおかしくなる
- 姿勢が悪くなる
- 失明する
などの症状に見舞われる恐れがあります。
停留精巣(陰睾)
「トイプードルが母親のお腹の中にいる時期」は腎臓の付近に精巣が位置します。
ですが、それはだんだん下がっていき、産まれてから数か月経過すれば、一般的なトイプードルの精巣のポジションまで来ます。
しかし、精巣が下がらず、内股や腹腔内に位置してしまう事があります。
このような異常のことを「停留精巣(陰睾)」と呼びます。
片方だけこのようになる場合もあれば、両方なってしまうケースもあります。
遺伝的な発達障害が主な要因であると見られています。
緑内障・白内障
緑内障:眼球の中の液体による圧力で視神経にダメージが及んでいる状態
白内障:目の内部の水晶体が白く濁る
犬はもともと目がいいので、飼い主が気を付けていないと、かなり進行してからでないとトイプードルの異変を察知できない恐れがあります。
失明する場合もあるので注意してくださいね。
PRA(進行性網膜萎縮症)
眼の網膜が徐々に委縮して、最後には失明してしまう病気です。
ただし、遺伝形式が判明していますので、遺伝子検査を行えばこの病気に見舞われやすいかどうかを分析することが可能。
てんかん
突然、発作(症状)が出ます。
- けいれん
- 泡を吹く
- ひっくり返る
などの症状が0.5分~数分ほど継続してしまいます。
基本的には薬で対処することになります。
症状がおさまると何事もなかったかのような状態に戻ります。
ですから、お飼いになっているトイプードルと接する時間が短いと、いつまでも気づけない可能性があります。気を付けてくださいね。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎皮質から出るホルモンが多すぎて、
- 太る
- 嗜眠(外的刺激が少なくなると眠ってしまう状態)
- 脱毛(かゆみはない)
- 肌が薄くなる
- 食べる量が増える
- 飲む量が増える
- おしっこが多くなる
など、色々な症状に見舞われる病気です。
特にトイプードルの発症リスクが高い病気なので気を付けてくださいね。
ただ、もちろん他の犬種でも見舞われる恐れがあります。
また、6歳くらいから発生しやすくなります。
フォンヴィレブランド病
「血液の凝固」の影響で、フォンヴィレブランド因子(タンパク質の一種)の活動がおかしくなったり、不足したりすることで発症する病気です(遺伝性)。
血が出やすくなり、その血を止めにくくなります。
- 血尿、血便(歩きにくくなる場合も)
- 関節内の出血(歩きにくくなる場合も)
- 肌に血の跡が出る(紫色)
- 鼻や歯茎から血が出る
などの症状に襲われます。
僧帽弁閉鎖不全症
トイプードルなどの小型犬に起きやすい心臓の病気であり、心臓弁膜症と呼ばれることもあります。
心臓の中で血液の一部分が逆流する疾患ですが、この病気に見舞われても「雑音(逆流する音)」が確認できるだけで、重大な状態にはならないケースが大半です。
大切なトイプードルの病気を発見・対策するには?
一個前に説明した「僧帽弁閉鎖不全症」もそうですが、こまめにお医者さんに診せることで早い段階で発症を見抜くことができる病気が多いです。
大事なワンちゃんを守るためにも、定期的に動物病院に行くようにしてくださいね。
そのときに、病気の対策・防止方法なども教えてもらえるはずですよ。
まとめ
基本的には活動的で健康的な犬種ですが、「トイプードルだからこそ発症しやすい病気」もあるので気を付けてくださいね。
キーワードは「とにかく早めに」。
ちょっとでも心配なことがある場合は、すぐに動物病院に連れていってくださいね。
また、特に異常がなくても普段から定期的に病院に行くことも大事ですよ。