犬も人間同様に、肥満には注意が必要です。
肥満になると、足腰に負担がかかったり、病気になるリスクが高くなってしまいます。
ご自分の犬が太っているかどうかよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、犬の肥満度のチェック方法と、適切なダイエット方法をご紹介します。
犬の肥満度をチェックしましょう!
犬はパッと見ただけでは、太っているのかどうかわからない場合がよくあります。
長い被毛に覆われている犬種や、がっちりした体型の犬は、見ただけで判断出来ません。
肥満度のチェック方法をご紹介します。
体重をはかる
犬種別に適正体重があります。
理想体重の10%~15%を超えると、肥満であると判断されます。
しかし、同じ犬種でも体格に違いがある場合には、標準体重に当てはまるとは限りません。
日頃から愛犬の体重を測り、比較すると良いでしょう。
見た目と触った感触で判断する
犬が太っているのか、痩せているのかを判断するために、体重以外に「ボディー・コンディション・スコア(BCS)」というものがあります。
触って判断する方法
背骨から骨盤のあたりまで触ってみて下さい。
骨をはっきりと感じることが出来れば、肥満ではありません。
もし、骨をはっきりと感じることが出来なければ、脂肪をまとっているという証拠であり、肥満であるという事になります。
次に、脇腹を触ってみて下さい。
肋骨を感じることができれば、肥満ではありません。
もし、強く押さなければ肋骨を感じることが出来なかったり、押してみても肋骨を感じることが出来ない場合には、肥満の状態です。
「飼い主のためのペットフード・ガイドライン:環境省」www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/full.pdf
犬の肥満の原因
犬の肥満の原因は、運動不足とカロリーの過剰摂取の2種類である場合がほとんどです。
カロリー摂取
犬の食事の量が適正ではないと、肥満の原因になります。
食事の量が適正であっても、おやつを与えすぎていては、1日のカロリー摂取量はオーバーしてしまいます。
人間が食べている物を少しあげたり、食べている姿が可愛いからとつい量を増やしてしまうなど、1度であれば肥満になる事はありませんが、積み重ねると肥満になってしまいます。
1日の摂取カロリーをしっかりと管理しなければ、肥満になるのです。
運動量が不足している
食事の量が適正であっても、運動が足りていなければ肥満の原因になります。
充分な運動を行わないと、摂取カロリーを消費することが出来ません。
天気が悪い時には、散歩に行くのがめんどうと思う時もありますが、そんな時には室内で遊ぶという選択肢があります。
つい部屋の中でダラダラと過ごしてしまう事がありますが、肥満の原因になってしまいます。
摂取したカロリーは消費しなければ、脂肪として蓄積されてしまい、肥満につながるので注意しましょう。
肥満を解消する方法
少し厳しい言い方になりますが、愛犬の肥満は飼い主さんに責任があります。
飼い犬は、自分の意志で好きな物を好きなだけ食べることはできません。
飼い主さんに与えられた物を与えられた量だけ食べているはずです。
食べ過ぎてしまったのに、その分を消費できるだけの運動が伴わなければ、太るのは当然です。
しかし、太ってしまったからと言って、食事の量を極端に減らしてしまうと、体調を崩す原因になります。
では、どのようにして肥満を解消すればよいのでしょうか?
食事の量を見直しましょう。
1日に必要な食事の量を、再度見直してみて下さい。
愛犬の犬種や年齢、体重に合った食事の量+おやつの量が適量である必要があります。
食事の量は、フードに書かれている量ぴったりでも、おやつを沢山与えてしまうと、総摂取カロリーはオーバーしてしまいます。
太ったからといって、食事の量を極端に減らしてしまうと、必要な栄養を摂ることが出来なくなるので、体調を崩してしまいます。
もし、極端に肥満になってしまっている場合には、飼い主さんの判断で食事を減らすのではなく、一度獣医師に相談してみて下さい。
まずは、1日の食事の量を見直すことからはじめてみて下さい。
適度な運動をしましょう
太っていなくても、毎日適度な運動をすることは、健康維持のために大切な事です。
摂取した分を消費しなければ、当然太ってしまいます。
ついてしまった脂肪は、運動することによって消費することが出来ます。
ただし、急激に運動量を増やしてしまうと、ストレスが溜まってしまったり、体に負担がかかるので、注意が必要です。
毎日のお散歩の距離や時間を少し増やしたり、お散歩に加えて、家の中でボール遊びなどをすると良いでしょう。
適度な運動を毎日続けることで、肥満を解消することが出来ます。
肥満の原因が病気である場合
食事の量が適切で、運動もきちんと行っているのに犬が太ってくる場合は、病気が原因であることが考えられます。
一度、動物病院を受診することをおすすめします。
疑われる病気
クッシング症候群
- 水をたくさん飲む
- 頻尿
- 抜け毛
- 食欲旺盛
- 顔がむくむ
- お腹がおおきくなる
これらの症状が出ると、クッシング症候群が疑われます。
放っておくと糖尿病を併発することがあります。
インスリノーマ
- 体重増加
- 食欲旺盛
- 低血糖
インスリノーマとは、すい臓の腫瘍です。
低血糖を引き起こし、けいれん発作や異常行動などが見られることがあります。
甲状腺機能低下症
- 脱毛
- 皮膚の硬化
- 脱力ぎみなのに食欲旺盛
シニア世代に多い病気で、単なる加齢によるものであると、見落とされがちな病気です。
シニア犬で、肥満で上記の症状が見られる場合は、甲状腺機能低下症の疑いがあります。
まとめ
犬の肥満の原因と改善方法について、ご紹介しました。
犬が可愛いからと、ついおやつをあげてしまう事がありますが、日々の積み重ねが肥満の原因になります。
愛犬を可愛いと思う気持ちをモノを上げるという行為ではなく、一緒に体を動かして遊ぶという行為に変えてみてはいかがでしょうか?