人間の食べ物の中には、犬が食べると健康を害する物や、危険な食べ物が沢山あります。
ちくわは、犬が食べても大丈夫な食べ物です。
しかし、ちくわは人間が食べるために作られた加工食品なので、犬に与える際には注意が必要です。
犬にちくわを与える時に気を付けて頂きたい事について、ご紹介します。
犬にちくわを食べさせても大丈夫? ちくわについて
ちくわは、スケトウダラなどの白身魚のすり身に、でんぷん、卵白、調味料などを合わせた物を棒に巻き付けて、焼いたり蒸したりして加熱調理した加工食品です。
竹の切り口に似ていることから「ちくわ」という名前になったと言われています。
きゅうりやチーズを詰めて生で食べたり、てんぷらやおでんの具材にするなど、色々な料理に使われています。
ちくわの栄養素
■たんぱく質
たんぱく質は、犬の筋肉や血液を作るために重要な栄養素の1つです。
たんぱく質は、体内で作ることが出来ないので、食べ物からしっかりと摂らなければなりません。
ちくわからは、良質なたんぱく質を摂ることができます。
■鉄分
ちくわには鉄分が含まれています。
貧血症状を改善することが出来るほど豊富に含まれてはいませんが、貧血の予防には効果が期待できます。
■オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、酸素を体内に運ぶ働きをしてくれます。
オメガ6脂肪酸は、犬の皮膚や被毛の状態を良くするために効果的です。
また、血液中のコレステロールを調整する働きもあります。
■ナトリウム
ちくわは、ナトリウムが多く含まれている加工食品です。
高血圧の原因になるので、塩分の摂りすぎには注意が必要です。
犬にちくわを与えるリスク
犬にちくわを食べさせても、問題はありません。
しかし、与え方を間違ってしまうと、健康を害する可能性はゼロではありません。
犬にちくわを与える際に生じるリスクについて、ご紹介します。
塩分の摂りすぎ
ちくわは、人間が食べるために作られている加工食品なので、犬に与えるには塩分が多すぎます。
犬の体にも塩分は必要な栄養素ですが、犬も人間と同様に、塩分の摂りすぎは高血圧など、健康を害する危険があります。
一般的な犬の総合栄養食には、適量の塩分が含まれているため、更にちくわを与えると塩分の摂りすぎになってしまいます。
特に、慢性的な肝臓病を患っている犬の場合には、塩分の摂りすぎには十分注意をして下さい。
フードを食べなくなる
ちくわは、犬が食するには味が濃いため、ちくわを日常的に食べさせてしまうと、フードを食べなくなる可能性があります。
ちくわに限らず、人間用の物を犬に与える事は偏食になる恐れもあるので、控えましょう。
ちくわをそのまま与える事もあまりよくありませんが、てんぷらにした磯部揚げやおでんの具になっている物は、そのままの物よりもさらに味が濃くなっているので、与えないで下さい。
味が濃い物の慣れてしまうと、フードは食べなくなるでしょう。
犬にちくわを与える時に気を付ける事
犬にちくわを与える時には、いくつか気を付けて頂きたい点があるので、ご紹介します。
塩分について人間用のちくわをそのまま与えてしまうと、犬には塩分が多すぎるので、塩抜きをしてから与えましょう。
犬が1日に摂取する塩分量として推奨されている量は、体重10~20kgの犬の場合、2.42~4.84kgです。
ちくわに当てはめると、中型犬の場合は1日に3本程度であれば、食べても塩分の摂りすぎにはなりませんが、これは他の食べ物からは、全く塩分を摂らなかった場合です。
ドッグフードを与えて、更にちくわを与えてしまうと、塩分の過剰摂取になる可能性がかなり高いと言えます。
ちくわの塩抜きの仕方をご説明します。
■塩抜きの手順
- ちくわを食べやすい大きさに切ります。
- 沸騰したお湯で1分程度、茹でます。
- ザルに移してお湯を切り、水に1分程度浸します。
- よく水を切ったら、完成です。
犬用のおやつとして、減塩されたものが市販されているので、フードの量とのバランスを考えて与えるといいでしょう。
アレルギーに注意
魚アレルギーの犬には、ちくわは与えないようにして下さい。
ちくわは、白身魚で出来ているので、魚アレルギーの犬が食べると、アレルギー症状が出てしまいます。
下痢や嘔吐、体に赤みや痒みが生じた場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
ちくわに限らず、犬に何かを始めて食べさせる場合には、まず最初に少量を与えて、アレルギー症状が出ていないか様子を見るようにしましょう。
疾患がある犬には与えない
心臓病を患っている犬には、ちくわは与えないで下さい。
塩抜きをしていないちくわをそのまま与えてしまうと、血圧が上昇してしまう可能性があり、心臓に負担をかけてしまいます。
心臓に負担をかけないために、心臓病を患っている犬には、ちくわは与えないで下さい。
肝臓は、体内に溜まった余分な塩分を体の外へ出す役割を果たしています。
肝臓に疾患がある場合、塩分を上手く排出することが出来ないので、ちくわは与えない方が良いでしょう。
まとめ
ちくわは、犬にとって有害な食べ物ではありません。
しかし、人間用のちくわをそのまま与えたり、調理して味が濃くなった物を与えるのは、辞めましょう。
犬にちくわを与える場合には、犬用のちくわを与えたり、塩抜きをした物を与えるようにして下さい。
また、アレルギーがある場合や、心臓や肝臓に疾患がある犬には与えないで下さい。