飼い主さんが帰宅したときに、興奮した愛犬がうれションをしてしまうことがあります。
そんな時に、つい叱ってしまうという飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
愛犬がうれションをした時には、どのような対応をすることが正解なのでしょうか?
愛犬のうれションの理由と正しい対処法について解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬がうれションをしてしまうのはなぜ?
うれションとはどういう現象?
うれションとは、犬がうれしくておしっこをしてしまうことです。
うれションは、うれしくて「興奮」しているときに起こる現象です。
犬が興奮状態にあるときに出る様々な行動として、「吠える」「おしっこをする」「走り回る」などが挙られます。
犬によって、いろいろな表現の仕方がありますが、興奮状態にあるときにおしっこをちびってしまうこともその一つです。
締まりが悪いということも要因の一つではありますが、犬が興奮をしてパニック状態に陥っているときには、自分が何をしているのかわかっていないことが多いのです。
うれションは、犬がしたくてしているという訳ではないということを、飼い主さんにご理解いただきたいと思います。
犬は、漏らしたくて漏らしているのではありません。
うれションの予防方法
うれションを防ぐ方法は、いくつかあります。
うれションの防止方法は、生理的欲求であるトイレトレーニングとは異なる方法です。
なぜなら、犬が失敗をしたくてしているわけではないからです。
うれションは、犬の感情をコントロールすることで防ぐことができます。
どういう時にうれションをするのかという原因をつきとめて頂くことが重要です。
うれションの原因その1.興奮
うれションをするタイミングとして多いのは、飼い主さんが帰宅したときです。
飼い主さんが帰宅した時、出迎えてくれた愛犬に「ただいま」と言ってコミュニケーションを取ると、うれションをしてしまうというケースが多く見られます。
お留守番のときはケージの中に入れておいて、飼い主さんが帰宅してコミュニケーションを取ったときに、飛びつきながらおしっこを飛ばしてくるということもよくあります。
日常触れ合っている際にうれションをする犬もいますが、飼い主さんの帰宅時が最も多い傾向にあります。
飼い主さんの帰宅時に犬が興奮することは目に見えているので、犬が興奮しないように接することが大切です。
うれションの原因その2.代謝の上昇
飼い主さんが帰宅したときに、犬がケージの外にいても中にいても、お留守番中におしっこを我慢していたのであれば、代謝が上昇することによって漏れやすくなります。
うれションを防ぐには?
お留守番中は、クレートやケージの中に入れておくことがおすすめです。
飼い主さんの帰宅時は、犬が興奮状態から落ちつくまで待ちましょう。
愛犬が落ち着いたことを確認してから、「ただいま」と飼い主さんも落ち着いたトーンで犬と接するようにしてください。
飼い主さんの帰宅直後ではなく、しばらく時間が経ってからクレートやケージの中から出して遊ぶとうれションを防ぐことができます。
人が犬の興奮を仰ぐような行為をしなければ、うれションを防ぐことができます。
日ごろから、犬を興奮させないように接することが大事です。
うれションは、年齢が上がると共に落ち着く傾向にあります。
仔犬の時期は、膀胱の発達が未熟なのでうれションをするケースが多く見られます。
成犬と比較すると、膀胱に貯められる量が圧倒的に少ないからです。
また、子犬は成犬よりも感情のコントロールを上手くすることができないため、興奮しやすい傾向にあります。
感情のままに生きているので、コントロールがしずらく興奮しやすいのです。
年齢が上がって落ち着くことを期待するよりも、興奮するシチュエーションを作らない方が、確実にうれションを防ぐことができます。
うれションの対象は、主に飼い主さんです。
そのため、飼い主さんの対応次第でうれションを防ぐことができるのです。
びびションの原因と解決法
びびションとは
びびションとは、犬が驚く・怖がるなどびっくりしてちびってしまう現象のことです。
びびションは、臆病な性格の犬に多く見られます。
犬が怖がってしまう状況にさせないということも大切ですが、何に怖がっているのか原因をつきとめることが重要です。
犬が恐怖を感じていることに、慣れさせてあげる必要があります。
びびションもうれションと同様に、単なる排せつの失敗ではありません。
普段の生活の中で、びびションやうれションがでないような環境にしてあげることが大切です。
びびション、うれションの改善には、基本的なトイレトレーニングは当てはまりません。
個々の性格を見極めて、対応しましょう。
うれションをした時に叱ってやめさせるのは効果的なのか?
犬がお漏らしをしてしまった場合に叱ることは、絶対にしないでください。
犬のしつけハグでは、犬のトイレトレーニングを行う際に叱ることは絶対にしません。
出来たときに褒めて固めるという方法で、トイレトレーニングを行っています。
うれションをしたときに犬を叱っても、何で叱られたのか犬にはわかりません。
例えば、飼い主さんが帰ってきた時に愛犬が「おかえりなさい!」と興奮して出迎えてうれションをしたとします。
その時に叱ってしまうと、愛犬は飼い主さんをお出迎えしたことを叱られたと勘違いしてしまう可能性が高いでしょう。
飼い主さんに対して、このような感情表現をすると叱られると思う可能性もあり、犬は混乱してしまいます。
おしっこをしたことに対して叱られていると認識することは、難しいでしょう。
万が一、うれションを叱られていると理解したとしても、犬自身の意志で止めることは不可能だとお考えください。
うれションに対して叱ることは、効果的ではありません。
うれションの場合には褒めて固めることもできないので、感情のコントロールが一番効果的です。
まとめ
うれション、びびションの理由と対処方法は
うれションの対処方法
うれションは叱ることはできません。
うれションは、トイレトレーニングやマーキングと対処法が全く異なりますので、ご注意ください。
興奮することによっておしっこをちびってしまう状態なので、感情表現の一環だとお考えください。
うれションは、犬の意志で抑えることは難しいでしょう。
飼い主さん側が、犬が興奮するようなシチュエーションを作らないことが大切です。
飼い主さんの帰宅時にうれションをする場合は、犬が興奮状態から落ち着くまで待ってから、犬とのコミュニケーションを取るとよいでしょう。
うれションは、人が気を付けることで防ぐことができます。
犬の体をさわることによって興奮をあおることになるので、可能であればスルーしてください。
犬がうれションをすることに対して、玄関マットで抑えるような行為をすると、それだけで犬は喜んでしまいます。
今までと少し違った対応をすることで、改善されるので是非お試しください。
びびションの対処方法
びびションは、怖がりな犬によく見られることです。
恐怖心からちびってしまうという現象なので、犬が何に対して怖がっているのかという原因を突き止めていただく必要があります。
散歩中に怖がる、物音に対して怖がる、他の犬に対して怖がるなど、怖がる理由はさまざまです。
愛犬が恐怖を感じるものに慣れさせる必要があります。
生活をしている中で、絶対に慣れなければいけないものがいくつかあります。
そういう物に対して恐怖心を抱いてしまう場合には、根気よく時間をかけて慣れさせなければなりません。
犬の様子をみながら、慣れさせましょう。
びびションも、叱って止めさえることはできません。
犬が怖がったときに、「大丈夫だよ」と過保護に対応するのではなく、たいしたことではないということを人の対応で教えてあげることが効果的です。