犬の散歩や外出の時に、車が通ると吠える事は、よくある行動の1つです。
犬を飼った事がない人も、車や自転車に向かって吠えている犬を、一度は見たことがあるのではないでしょうか。
犬が車や自転車に吠える行動には、理由があります。
なぜ犬が車や自転車に向かって吠えるのか?その原因と対処方法をご紹介します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
犬が車や自転車に吠える3つの理由
飼い主さんにとって困った行動である、犬が車や自転車に向かって吠えるという行動には、きちんとした理由があります。
犬の本能によるもの
犬は野生時代は、狩りをして獲物を捕らえて生活していました。
車や自転車のような素早く動くものを見ると、本能で自然に反応してしまい、興奮して吠えてしまうのです。
車が通ると吠えるという行動は、犬の本能によるものなのです。
犬種による習性
牧羊犬であるボーダーコリーやシェットランドシープドックなどは、羊や牛などの家畜を追いかけるように、訓練されてきました。
また、警戒心が強く動く物に対してよく吠えるため、車や自転車などの動く物を追いかけたり、吠えるのです。
狩猟犬であるコーギーやビーグルなども、獲物を追いかけ吠えて追い詰めるように調教されていたため、大きな声でよく吠えます。
牧羊犬や狩猟犬は、習性によって、車や自転車などに対して、吠えたり、追いかけたりするのです。
怖い
大きな音を立てて動く車に対して、恐怖を抱いて吠えている可能性があります。
人間は、車がどんな物であるのかわかっていますが、犬にとっては得体のしれない物です。
もともと大きな音が苦手な犬にとっては、自分の体よりも何倍も大きな物が大きな音をたてて走り去っていくのですから、恐怖心を抱いてもおかしくありません。
車に対しては、怖さから警戒して吠えるという行動に出るのです。
車や自転車に吠える行動を止めさせる方法
車が通ると吠えるという行動は、飼い主さんにとってはすぐにでも辞めさせたい行動です。
急に飛び掛かってしまうと、思わぬ事故につながる危険性もあります。
では、車や自転車に吠えたり飛びかかったりする事を止めさせるには、どうしたら良いのでしょうか?
車に慣れさせる
犬が車を怖がっている可能性があるので、車に慣れさせましょう。
犬も人間と同様に、わからない物や知らない物に恐怖心を抱きます。
怖い物に対して、犬は警戒心から吠えるという行動に出る事があるため、車を知らない物から知っている物、怖くない物に変えてあげましょう。
まずは、車の往来を眺めさせましょう。
最初は車の交通量の少ない場所で、車の往来を眺めましょう。
怖がって吠えるようであれば、「怖くないよ」と優しく声を掛けてあげることで、犬は安心します。
少し慣れてきたら車の交通量の多い場所に連れて行き、立ち止まって車を眺めましょう。
立ち止まって、車の往来を眺める事を続けると、車に慣れていき、吠えなくなります。
指示語を徹底させる
「マテ」「フセ」などの指示語が、しっかりと通るようにすると、車に対して吠えなくなります。
車が来た時に「マテ」の指示が通れば、犬の気持ちを落ち着かせることが出来るからです。
車を見た時に、本能的に追いかけたいという気持ちが起きたり、恐怖を感じて吠えようとしても、飼い主さんからの「マテ」の指示が出れば、気持ちを押さえることが出来るのです。
指示語を徹底させることは、吠える事以外にも様々な場面で使えるので、再度指示語を徹底させましょう。
リーダーウォークを覚える
リーダーウォークを覚えて、犬が飼い主さんとの一定の距離を保って歩けるようになると、車に吠えたり飛びついたりしなくなります。
リーダーウォークとは、名前の通り飼い主さんが犬のリーダーになって、歩くルートや速度を決めて、飼い主さんのやや左後側に一定の距離を保って歩く方法です。
リーダーウォークが出来ると、犬は飼い主さんに対する忠誠心を持ち、更に自制心を身に着けることが出来るので、車に対する恐怖心を抑える事が出来るようになります。
お散歩中の犬をしっかりコントロールすることが出来るので、リーダーウォークを覚えましょう。
吠え癖がついてしまっている場合の対処方法
吠え癖がついてしまい、色んな方法を試してみても、どうしても治らない場合には、どうすれば良いのでしょうか?
散歩コースを変える
今までの散歩コースを、車の通りの少ない静かな場所に変えましょう。
車や自転車などと出会うたびに吠えていると、犬にストレスが溜まってしまいます。
飼い主さんも、犬を落ち着かせなければならないので、大変です。
散歩の時間や距離を変えることなく、静かな場所を通ることが可能であれば、散歩コースを変えましょう。
車に気づかせないようにする
交通量の少ない場所であれば、前から車や自転車が来たら、進路を変えて車や自転車に出会わないようにしましょう。
他にも、おもちゃなどを使って気を反らせるのも良い方法です。
車や自転車が来ても、犬が気づかなければ吠えることを防ぐ事が出来ます。
時間をかけて治す
吠え癖は、簡単に治す事は難しいので、時間をかけて治しましょう。
車や自転車に時間をかけて慣れさせ、怖がらなくても大丈夫であることを教えましょう。
個体差があるので、すぐには治らない可能性はありますが、飼い主さんの側にいれば安心だということを、時間をかけて教えましょう。
まとめ
犬が車が通ると吠える理由とその対処方法について、ご紹介しました。
車や自転車に対して吠えるのは、犬の本能や恐怖心からくることがおわかり頂けたでしょうか。
すぐに辞めさせることは難しいかもしれませんが、ゆっくりと時間をかけて、怖くない事や飼い主さんと一緒にいれば安心だという事を教えてあげましょう。