おやつもおもちゃも使わない犬のしつけ

成犬になってからのしつけはもう遅い?プロが教える「学び直し」のコツと成功へのステップ

成犬になってからのしつけはもう遅い?プロが教える「学び直し」のコツと成功へのステップ

「もう1歳を過ぎてしまったから、しつけは無理かも……」「成犬になってから困った行動が増えたけれど、今さら直せるの?」そんな不安を抱えている飼い主さんは少なくありません。

しかし、結論から言えば、成犬になってからでもしつけをすることは十分に可能です。

ただ、子犬の時期とは異なる「成犬ならでは」の向き合い方や注意点があるのも事実です。

今回は、YouTubeチャンネル『犬のしつけハグ』のプロトレーナー・川島先生の解説を基に、成犬のしつけが遅くない理由と、具体的なトレーニングの考え方を詳しく解説します。

Kawashima

Profile 川島 恵 ドックトレーナーとして12年目の令和元年に東京の世田谷区と文京区にあるドッグトレーニング犬のしつけ教室をオープン。 『スッキリ』(日本テレビ系)犬のしつけ専門家として出演電話出演。 テレビ東京「どうぶつピース!!」に出演。「おやつ、おもちゃ無しのしつけ」でドッグトレーニングする犬のしつけの専門家

1. 成犬としつけ:なぜ「遅すぎる」ことはないのか

1. 成犬としつけ:なぜ「遅すぎる」ことはないのか

よく「犬のしつけは生後半年までが勝負」と言われますが、これは生後3〜4ヶ月頃までの子犬が非常に脳が柔軟で、スポンジのように何でも吸収する時期だからです。

一方で成犬になると、すでに自分の生活スタイルや習慣が固まっており、新しいことを覚えるには子犬以上の時間と根気が必要になります。

しかし、犬は生涯学習ができる動物です。成犬には子犬にはない「理解力」や「集中力」が備わっている場合もあります。

大切なのは、飼い主さんが「もう手遅れだ」と諦めずに、一貫性を持って向き合い続けることです。

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2. 子犬と成犬のトレーニングの違い

2. 子犬と成犬のトレーニングの違い

プロの視点から見て、子犬と成犬のトレーニングには決定的な違いがいくつかあります。

脳の柔軟性と吸収率

子犬は好奇心が旺盛で、見るもの聞くものすべてを新鮮に受け入れます。

一方、成犬は「今までの経験」というフィルターを通して物事を判断します。

「今までこうしたら思い通りになった」という成功体験が積み重なっているため、それを上書きする作業が必要になります。

睡眠欲と活動時間の差

子犬は一日の大半を寝て過ごしますが、成犬は起きている時間が長くなります。

これがしつけにどう影響するかというと、例えば「クレートトレーニング」などにおいて、子犬は寝るのが仕事なのでクレート内ですぐに落ち着けますが、成犬は外に出たいという欲求や周囲への関心が強いため、落ち着かせるまでに工夫が必要になります。

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戦略的な行動

成犬は経験を積んでいる分、非常に「戦略的」です。

「ここで吠えたら散歩に行ける」「ここで甘えたらおやつがもらえる」といったパターンを完全に理解しています。

この「根付いた習慣」を解きほぐすには、子犬のしつけよりも数倍の時間がかかると考えておくべきでしょう。

3. クレートトレーニングは「すべてのしつけ」の基礎

3. クレートトレーニングは「すべてのしつけ」の基礎

川島先生が強く推奨しているのが、プラスチック製のキャリーケースなどを使った「クレートトレーニング」です。

かわいそう、は誤解

「狭いところに閉じ込めるのはかわいそう」と感じる飼い主さんは多いですが、本来、犬は穴ぐらのような「狭くて暗い、背後を囲まれた場所」を好む習性があります。

実際に、家の中でも部屋の隅やテーブルの下で寝ていることはありませんか?

主導権を飼い主が握る

クレートトレーニングの最大の目的は、家の中での主導権(イニシアチブ)を人間が握ることです。

犬が自分の好きな時に好きな場所へ行くのではなく、「今はここで休んでね」と人間が指示を出す。

これができることで、いたずらや無駄吠え、不適切な場所での排泄などを未然に防ぐことができ、結果としてお互いのストレスが軽減されます。

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良好な関係のきっかけ作り

クレートで落ち着けるようになると、犬の心に余裕が生まれます。

常に外の音を警戒したり、飼い主さんの動きを監視したりする必要がなくなるからです。

「指示を聞けば安心できる」という信頼関係を築くための第一歩として、成犬からでも取り組む価値が非常に高いトレーニングです。

4. 時間と根気:軌道修正にかかる「コスト」を理解する

4. 時間と根気:軌道修正にかかる「コスト」を理解する

成犬のしつけを始める際に、最も覚悟しておかなければならないのが「時間」です。

蓄積した経験を書き換える

例えば、5年間ずっと「吠えたらおやつをもらえていた」犬に対して、今日から「吠えてもおやつはあげません」と伝えても、犬はすぐには納得しません。

むしろ「あれ?もっと激しく吠えればくれるのかな?」と行動がエスカレートすることもあります。

この「納得させるまでの期間」が、犬の年齢が高ければ高いほど長くなる傾向があります。

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成長スピードは人間の7倍

犬の時間は人間の約7倍の速さで流れていると言われます。

飼い主さんが「たった1ヶ月頑張った」と思っても、犬にとっては半年以上もの時間が経っている感覚かもしれません。

逆に言えば、放置すればするほど「悪い習慣」もまた7倍の速さで強化されてしまいます。

5. 専門家の力を借りるタイミング

5. 専門家の力を借りるタイミング

自分なりに頑張ってみても改善が見られない、あるいはどう接していいか分からないという場合は、早めにプロのドッグトレーナーに相談することをお勧めします。

「放置して良くなること」はまずない

「年をとれば落ち着くよ」という言葉を信じて待っていても、実際には行動が維持されるか、さらに悪化(強化)されるケースがほとんどです。

問題が根深くなる前に、客観的な視点からアドバイスをもらうことで、解決までの時間を大幅に短縮できます。

プロに依頼する際のポイント

成犬のしつけを依頼する場合、子犬の頃よりも期間や費用がかかることが多いです。

それは単に「教える」だけでなく、今までの「悪い習慣を壊す」という作業が加わるからです。

現在の月齢や問題行動の程度を詳しく伝え、その子に合ったトレーニングプランを提案してもらいましょう。

まとめ:成犬との生活をより豊かにするために

まとめ:成犬との生活をより豊かにするために

成犬になってからのしつけは、決して「矯正」という苦しいものではありません。

愛犬とより深くコミュニケーションを取り、お互いが安全で快適に暮らすための「共通ルール」を学び直すプロセスです。

  1. 「遅すぎる」と諦めない。

  2. クレートトレーニングで「落ち着ける場所」を作る。

  3. 時間はかかるものと心得て、一貫した態度をとる。

  4. 難しいと感じたら、すぐにプロの知識を借りる。

愛犬はいつだって、飼い主さんと正しく繋がりたいと願っています。

今日から始める新しい一歩が、数年後の愛犬との関係をより素晴らしいものに変えてくれるはずです。

まずは無理のない範囲から、楽しみながらトレーニングを始めてみてください。