ドッグホテル 日中預かり 4400円 03-6240-0787

【ドックトレーナー監修】天罰方式の犬のしつけはおすすめできない?犬の困った吠えや噛み癖を治す方法

天罰方式の犬のしつけはおすすめできない?犬の困った吠えや噛み癖を治す方法

犬を飼っている方なら犬の吠えや噛み癖などの悩みに1度は直面した事があるでしょう。
散歩中に犬や人間に吠えかかってしまう、なんでも噛んで破壊してしまうなど、とてもかわいくて素敵なパートナーですが、
動物としての本能があるため人間には理解できないような問題を起こしてしまう事があります。

そういった問題が起こった時、犬のしつけでは良く聞く天罰方式は効果があるのでしょうか。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵

Kawashima

Profile 川島 恵 ドックトレーナーとして12年目の令和元年に東京の世田谷区と文京区にあるドッグトレーニング犬のしつけ教室をオープン。 『スッキリ』(日本テレビ系)犬のしつけ専門家として出演電話出演。 テレビ東京「どうぶつピース!!」に出演。「おやつ、おもちゃ無しのしつけ」でドッグトレーニングする犬のしつけの専門家

犬のしつけで良く聞く天罰方式とは?

犬のしつけの一種で良く聞く天罰方式とは、
天が与えたように見せかけ(人間が与えたようには見せない)
その行動をすると悪い事や痛い事が起きる、と犬に訴えかける方法です。

具体的な例はこちら

  1. 大きい音を出す
  2. ものを投げて驚かす
  3. スプレーをかける

天罰式 例①大きい音を出す

家具を噛み始めた時に飼い主は姿を見せないようにして大きい音を出す

天罰式 例②ものを投げて驚かす

ゲージの中で吠えが止まらないので見えないところからものを投げて驚かす

天罰式 例③スプレーをかける

吠えや物を噛み始めた時に酢の入ったスプレーをかける

などがあります。

この天罰方式を行う時、飼い主(天罰を与える人)は犬に見られてはいけません。

犬との信頼関係が崩れてしまう可能性があります。

信頼関係が崩れてしまうと、今までできていた「おすわり」や「お手」などをしてくれない、甘えてくれなくなる、噛み付いてくる、名前を呼んでも無視する、など困る事ばかりです。

ある意味、諸刃の刃とも言えるしつけ方法です。

犬の天罰方式は根本的な解決方法にはならない

犬によっては天罰方式が効果を発揮する事があるかもしれません。

しかし、犬は賢い動物なので、音や刺激に慣れてしまったり、飼い主が出かけた後には天罰が起きない事を学習してしまう恐れがあります。

そうなると今度は留守中のしつけの問題に変わってしまいます。
結局は犬に何をしてはいけないのかをうまく伝えられていないのです。

その結果、時間や場所を変えて似たような問題行動をおこしてしまいます。
天罰方式を取り入れるタイミングや、使い方を間違えてしまうと状況が悪化してしまう事もあります。

犬のしつけは叱るだけでは意味がない

「褒めて育てる」のか「叱って育てる」のか、良く論議されている話です。
叱る事や天罰方式自体は悪くありません。ですが叱るタイミング、叱った後にはたくさん褒めてあげる事が重要です。

よく、猫は家に懐き、犬は人間に懐く、と言います。犬は人間にとても忠実な生き物です。

飼い主に怒られて喜ぶ犬なんていません。
飼い主さんが笑顔でヨシヨシ、と触ってくれる事を喜びとしています。

叱り方がよく分からずにしつけを続けてしまうと、犬によってはさらにひどい問題行動を起こしてしまったり、逆に明るくていつも楽しそうだった犬が、消極的になってしまう事も考えられます。犬は人間の言葉がわからないので、「コラ」「ダメでしょ」と言っても実際のところ何が悪かったのかよくわかっていません。

ただ、飼い主が怖い顔をしている、何かまずい事をしたんだろう、と思うくらいです。

大事なのは、何がいけなかったのかをすぐにその場で犬にわかるように伝え、長引かせない事、できた時には大げさにたくさん褒めてあげる事です。

犬は人間の言葉がわからないので、経験や習慣で覚えていきます。1回怒るくらいでは治りません。
吠えた時に叱る、吠えなかったら褒める、を何度も繰り返していきます。習慣化している場合は気長に続けていく必要があります。

犬のしつけは昔と今でかなり違う

しつけに悩んだ飼い主が、犬のしつけの本を読み、犬のリーダーになろうとしてください。

マズルコントロールの仕方、などを実践してしまう事があります。
これはプロのペットシッターも危険視しているしつけ方です。

噛もうとしている時や、吠えている時は犬が興奮している時なので、更にヒートアップさせてしい、しつけをしようと一生懸命になっている飼い主を噛んでしまうような事にもなりかねません。

気が強くすぐに口が出る犬もいますが、怯えや恐怖から噛んでしまう犬もいますので犬によってしつけ方を変える必要があります。

良いと悪いが犬に伝わる方法で行わないと、事態を悪化させるだけで終わってしまう可能性があるのでしつけの方法については注意が必要です。

犬の噛み癖や吠えをしつける方法

大人になった犬は治らないんでしょう?と諦めないでください。
続けていく事で改善されるパターンもあります。

  1. エネルギーを発散させる
  2. ストレスを発散させる
  3. 悪い事をしたら相手をしない

散歩に連れて行き、エネルギーを発散させる

大人になった犬で、吠えや家具を噛んでダメにしてしまう犬がいます。

中には留守中だけ悪さをするという犬もいますね。
これはエネルギーは有り余っている状態です。
1日中、狭いゲージの中にいれば人間でもストレスがたまります。
散歩には長時間行く必要はありません。
数回に分けてもいいので連れて行き、色々な刺激を与えてあげましょう。

家の中でできる遊びでストレスを発散させる

飼い主と引っ張り合いっこ

  • タオル
  • ロープ

タオルや、ロープなど長めのおもちゃで飼い主と引っ張り合いっこをしましょう。
ペットボトルにおやつを入れたものを渡すだけでも構いません。

犬はおやつを取るのに夢中になって時間をつぶす事ができます。
他にも、お店で売られている、おやつを中に入れる事ができるおもちゃや、匂いのついたおもちゃなど、犬が夢中になれるものを与えてあげると良いでしょう。

悪い事をしたら叱るか、相手をしない。必要なのは成功体験

犬と散歩や遊びで関わっていく上で、吠えたり噛むこともあるでしょう。

噛もうとしてきた場合は、興奮しすぎてしまった、
おもちゃを取られたくなかったなど犬の中でも理由があるはずです。

犬の目を見てしっかりと「痛い!」と大きな声で訴えてください。

早い時期に親犬や兄弟犬から引き離されている場合、噛む力の度合いがわかっていない事があります。
噛むと痛いんだ、嫌なんだ、という事を教える必要があります。

何度痛いと言っても伝わらない場合は、遊ぶのをやめ、ハウスさせましょう。

噛む=遊んでもらえない

という事を体験し学んでもらいます。

吠えも同じです。
要求吠えといって、出して欲しい、構って欲しいと吠え続ける犬がいます。
かわいそうだから、と出してあげると、これぐらい吠えれば出してくれるんだ!と学習してしまい、
次に同じぐらい吠えても出してもらえないなら、もっと吠えてみようとなるわけです。

この場合も相手をしない事が正解です。

成功体験の方が覚えやすいので、叱るよりも、吠えが止んだら褒めて遊んであげる方が良いでしょう。
どちらにしろ、時間もかかりますし、飼い主の根気も必要になります。

まとめ:
実際にしつけをしてみると、痛い事や大変な事は多いです。ですが、しつけは飼い犬の事を気にする時間や触れ合う時間がいつもよりも増えます。
信頼関係も増し、飼い犬が更にかわいく思えてくるでしょう。

中には気難しい犬もいますので、素人の手には負えない場合もあります。
そういった場合は悲しい思い出が増える前にプロにお願いすると良いでしょう。