愛犬のトイレの失敗は、単なる場所の未習得だけではありません。
実は飼い主さんの気を引くために「わざと」行っている場合や、本能的なマーキングが原因のケースもあります。
今回はプロの視点から、失敗の裏に隠れた3つの原因と、叱らずに根本解決するための具体的なステップを、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
記事監修:犬のしつけハグ 川島 恵
Kawashima
1. そもそもトイレを正しく認識できていない

まず、最も基本的な原因として挙げられるのが「トイレの場所の認識不足」です。
トイレまでの距離が遠すぎる
特に子犬の時期は、排泄の回数が非常に多く、尿意を感じてから排泄するまでの我慢があまりききません。遊んでいる最中にトイレまで戻るのが間に合わなかったり、距離が遠すぎて戻るのが面倒になってその場でしてしまったりすることがあります。
認識の「曖昧さ」
「なんとなくこの辺かな」という程度の認識だと、状況によって失敗が増えます。自分から確実にトイレトレーに戻り、そこで排泄するという「癖付け」がまだ完全ではない状態です。
解決策:100%の成功を導く徹底管理
トイレトレーニングをやり直す、あるいは定着させるためには、飼い主さんが100%の確率で成功へ導く仕組みを作る必要があります。
-
見守れない時はケージを活用: 24時間ずっと見ていることは不可能です。目を離す時はケージやクレートの中で休ませ、管理下に置きます。
-
タイミングを見極める: 寝起きや食後、運動後など、排泄しやすいタイミングで飼い主さんがトイレへ誘導し、成功させます。
-
成功したら全力で褒める: シートの上でできたら、その瞬間にしっかり褒めて「ここでやると良いことがある」とポジティブに強化しましょう。
2. 「わざと」失敗して飼い主の気を引いている

意外に多いのが、ワンちゃんが「あえて」トイレを外すケースです。
これは、飼い主さんの関心を引きたいという「要求」の現れです。
なぜ「わざと」失敗するのか?
犬にとって、飼い主さんに構ってもらえることは最大の喜びです。
もし、トイレを失敗した時に大きな声を出したり、片付けのために慌てて近寄ったりしていませんか? 犬からすれば、たとえ叱られていても「大好きな飼い主さんが自分を見てくれた」「こっちに来てくれた」と感じてしまうのです。
こうして、「失敗すれば構ってもらえる」という誤った学習が成立してしまいます。
解決策:メリハリのある接し方と無視の徹底

このケースでは、トイレトレーニングそのものよりも「普段の接し方」の改善が重要です。
-
失敗しても無反応を貫く: 失敗を見つけても、声を上げたり叱ったりせず、淡々と片付けます。犬を別室に移してから掃除するのも有効です。
-
オンとオフの時間を明確にする: 「今は構う時間」「今は構わない時間(ケージで休む時間)」をはっきりと分けます。
-
満足させる時間を作る: 出している時は思いっきり遊び、愛犬の欲求をしっかり満たしてあげます。すると、わざわざトイレを失敗して気を引く必要がなくなります。
3. 「マーキング」という自己主張

3つ目の原因は、通常の排泄とは全く異なる「マーキング行為」です。
排泄とマーキングの違い
マーキングは排泄(スッキリしたいという欲求)ではなく、「ここは自分の縄張りだ」という自己主張の行動です。
そのため、一度トイレで排泄を済ませた後でも、部屋中のあちこちに少量の尿をかけて回ることがあります。
マーキングが起こる環境
家の中を自由に歩き回らせすぎていると、犬は家全体を「自分のテリトリー」として認識しやすくなります。
特に自己主張が強い子や、去勢手術をしていない子は、飼い主さんの匂いを上書きしようとしたり、自分の存在をアピールしようとしたりします。
解決策:テリトリー意識のコントロール
-
自由なエリアを制限する: 常に家中をフリーにするのではなく、飼い主さんの管理が行き届く範囲で過ごさせます。
-
去勢手術の検討: ホルモンバランスによるマーキングであれば、手術によって軽減される場合があります。獣医師と相談してみましょう。
-
前兆を見逃さない: 匂いをクンクン嗅ぎ回るなど、マーキングの前兆が見えたら声をかけて意識を飼い主さんに向けさせ、未然に防ぎます。
【絶対NG】トイレの失敗で叱ってはいけない理由

すべての原因に共通して言える最も大切なルールは、**「トイレの失敗を決して叱らないこと」**です。
もし失敗を厳しく叱ってしまうと、犬は「ここでしてはいけない」ではなく「排泄すること自体が悪いことだ」あるいは「人の前ですると怒られる」と勘違いしてしまいます。
そうなると、人から隠れて家具の裏でするようになったり、排泄を我慢して健康を損なったりする恐れがあります。
トイレに関しては「褒めて伸ばす」の一択であることを忘れないでください。
まとめ:原因に合わせた的確な対応を

トイレの失敗を解決するには、まず「なぜ失敗しているのか」という原因を突き止めることが不可欠です。
-
認識不足なら、基礎から徹底的にガイドする。
-
気を引きたいなら、普段の接し方にメリハリをつける。
-
マーキングなら、テリトリー意識を管理する。
原因が異なれば、トレーニングのアプローチも全く変わってきます。
愛犬をよく観察し、もし自分たちだけで判断が難しい場合は、プロのドッグトレーナーに相談して、ワンちゃんの性格や状況に合わせた個別のアドバイスをもらうのも一つの手です。
根気強く、そして明るく取り組むことで、必ず改善の方向へ向かいます。
愛犬との快適な生活を目指して、今日から一歩ずつ進んでいきましょう!
犬のしつけ ハグ



